福岡県（ふくおかけん）の海外移住（かいがいいじゅう）の歴史（れきし）

福岡県（ふくおかけん）から海外（かいがい）への移住（いじゅう）は、1885年（ねん）（明治（めいじ）18年（ねん））にハワイへ移住（いじゅう）したことにはじまります。その頃（ころ）、農村（のうそん）の生活（せいかつ）は苦（くる）しく、多（おお）くの人々（ひとびと）が都市（とし）へ仕事（しごと）を求（もと）めに行（い）きましたが、都市（とし）でもその労働力（ろうどうりょく）をすべて受（う）け入（い）れることは難（むずか）しく、日本政府（にほんせいふ）は海外（かいがい）へ移民（いみん）を送（おく）り出（だ）すことにしました。

1900年代（ねんだい）に入（はい）ると、移住先（いじゅうさき）は、ハワイからアメリカ本土（ほんど）やカナダ、メキシコなどに広（ひろ）がり、さらにペルー、ブラジルなどの南米（なんべい）に移（うつ）り、戦後（せんご）には、ブラジルのアマゾン河流域（かりゅういき）、パラグアイ、ボリビアなどへの移住（いじゅう）が始（はじ）まりました。戦前（せんぜん）・戦後合（せんごあ）わせた福岡県（ふくおかけん）からの移住者数（いじゅうしゃすう）は、全国（ぜんこく）で4番目（ばんめ）に多（おお）く、約（やく）5万（まん）7千人（せんにん）に達（たっ）しています。

移住（いじゅう）した人々（ひとびと）は、言葉（ことば）、気候（きこう）、風土（ふうど）など全（まった）く異（こと）なる環境（かんきょう）の中（なか）で大変（たいへん）な苦労（くろう）をしながら、日本人（にほんじん）としての誇（ほこ）りを持（も）ち続（つづ）け、その勤勉（きんべん）さや誠実（せいじつ）さ、教育熱心（きょういくねっしん）さで非常（ひじょう）に高（たか）い評価（ひょうか）を得（え）て、ブラジルでは「ジャポネーズ・ガランチード（信頼（しんらい）される日本人（にほんじん））」と讃（たたえ）えられるなど、移住国（いじゅうこく）の発展（はってん）に大（おお）きく貢献（こうけん）してきました。

同時（どうじ）に、ふるさと「福岡（ふくおか）」へ深（ふか）い愛着（あいちゃく）を抱（いだ）き、福岡県人（ふくおかけんじん）であることへの誇（ほこ）りを持（も）ち続（つづ）け、郷土（きょうど）の伝統（でんとう）や文化（ぶんか）を守（まも）り、福岡県（ふくおかけん）との連携（れんけい）を深（ふか）めてきました。